第24節 橋脚巻立て工
第24節 橋脚巻立て工
10-16-24-1 一般事項
本節は、橋脚巻立て工として作業土工(床掘り、埋戻し)、RC橋脚鋼板巻立て工、橋脚コンクリート巻立て工その他これらに類する工種について定める。
10-16-24-2 材料
床版防水膜、伸縮継手、支承、高欄・手摺に使用する材料は、設計図書によるものとする。
10-16-24-3 作業土工(床掘り・埋戻し)
(参照:第3編 3-2-3-3 作業土工(床掘り・埋戻し))
作業土工の施工については、第3編3-2-3-3作業土工(床掘り・埋戻し)の規定による。
10-16-24-4 RC橋脚鋼板巻立て工
1.一般事項
受注者は、工事に先立ち、現地を詳細に把握するために現地調査を行い、補強を実施しようとする橋脚及び基礎について、形状や鉄筋の位置、添架物や近接する地下構造物等の状況を把握するとともに、海水または鋼材の腐食を促進させる工場排水等の影響や、鋼材の位置する土中部が常時乾湿を繰り返す環境にあるかどうか等を事前に確認しなければならない。
2.鉄筋位置の確認
受注者は、既設橋脚の鉄筋位置の確認方法については、事前に設計図書に関して監督職員と協議しなければならない。
3.既設橋脚のコンクリート面
既設橋脚のコンクリート面は、ディスクサンダー等を用いて表面のレイタンスや付着している汚物等を除去しなければならない。
4.不良部分が著しい場合の処置
受注者は、既設コンクリート表面の劣化等の不良部分が著しい場合は、事前に設計図書に関して監督職員と協議しなければならない。
5.吸水防止剤の塗布
受注者は、充填する無収縮モルタルの中の水分が既設のコンクリートに吸水されるのを防ぐため、柱の表面に吸水防止剤(エマルジョン系プライマー同等品)を塗布しなければならない。
6.定着アンカー孔
受注者は、フーチング定着アンカー孔の穿孔後、孔内の清掃を十分に行うとともに湧水が発生した場合は、設計図書に関して監督職員と協議しなければならない。
7.工場加工と現場加工
受注者は、アンカー孔及び注入孔等の穴あけ、鋼材の折曲げ加工は、工場で行うことを原則とし、現場で加工する場合は事前に設計図書に関して監督職員と協議しなければならない。
8.鋼板固定用アンカー
鋼板固定用アンカーは、モルタル注入時の引抜き力に対して確実に抵抗できるように設置するものとする。
9.孔内のほこりの除去
受注者は、鋼板固定用アンカー孔内のほこりを確実に除去しなければならない。
10.アンカー孔穿孔時の注意(1)
受注者は、鋼板固定用アンカー孔穿孔時に橋脚の鉄筋やコンクリートに支障のないよう十分注意し、橋脚面に直角になるよう打設しなければならない。
11.アンカー孔穿孔時の注意(2)
フーチング定着用アンカーは、橋脚の鉄筋及びコンクリートに支障のないよう十分に注意し、垂直に穿孔しなければならない。
12.アンカーの定着
受注者は、フーチング定着用アンカー孔穿孔後の孔内は十分に乾燥し、ほこり等は確実に除去してからエポキシ系樹脂を注入し、アンカーを定着させなければならない。
13.穿孔
フーチング定着用アンカー孔穿孔は、削岩機によるものとする。
14.鋼板の位置
鋼板の位置は、コンクリート面と鋼板との間隔を平均30㎜に保つのを標準とし、鋼板固定用アンカーボルトにて締付け固定するものとする。
15.注入パイプ
鋼板の注入パイプ用孔の形状は、注入方法に適合したものとし、その設置間隔は、100㎝を標準とする。
16.ボルト周りのシール
鋼板下端及び鋼板固定用ボルト周りのシールは、シール用エポキシ系樹脂でシールし、注入圧に対して十分な強度を有し、かつ注入モルタルが漏れないようにするものとする。また、美観にも留意してシールするものとする。
17.配合用水
無収縮モルタルの配合において使用する水は、コンクリート用水を使用するものとし、所定のコンシステンシーが得られるように水量を調整するものとする。
18.練混ぜ
無収縮モルタルの練混ぜは、グラウトミキサーまたはハンドミキサーにて行うのを原則とする。
19.練り上がり温度
モルタルの練り上がり温度は、10~30℃を標準とするが、この範囲外での練混ぜ温度となる場合は、温水や冷水を用いる等の処置を講ずるものとする。
20.連続注入高さ
無収縮モルタルを連続して注入する高さは、注入時の圧力及びモルタルによる側圧等の影響を考慮して、3m以下を標準とする。また、必要により補強鋼板が所定の位置、形状を確保できるように治具等を使用して支持するものとする。
21.無収縮モルタルの注入
無収縮モルタルの注入は、シール用エポキシ系樹脂の硬化を確認後、補強鋼板の変形等の異常がないことを確認しながら注入ポンプにて低い箇所の注入パイプより丁寧に圧入するものとする。各々の注入パイプから流出するモルタルを確認後、順次パイプを閉じ、チェックハンマー等で充填が確認されるまで圧入を続け、鋼板上端から下方に平均2㎝の高さまで圧入するものとする。
注入に際して、モルタル上昇面には流動勾配が発生するため、木製ハンマー等で鋼板表面を叩き、上昇面の平坦性を促してモルタルの充填性を確保するものとする。
注入したモルタルが硬化した後、注入パイプの撤去とシール用エポキシ系樹脂による当該箇所の穴埋め、及び鋼板上端のシール仕上げを行うものとする。
22.注入後の確認書の提出
受注者は、注入を完了した鋼板について、硬化前に鋼板単位毎に番号を付けてチェックハンマー等で注入の確認を行い、未充填箇所が認められた場合は、直ちに再注入を行わなければならない。
なお、注入後の確認書(チェックリスト)を監督職員に工事完成時に提出しなければならない。
23.鋼材の防食処理
受注者は、海水や腐食を促進させる工場排水等の影響や常時乾湿を繰り返す環境にある土中部の鋼材の防食処理については、事前に設計図書に関して監督職員と協議しなければならない。
24.コンクリート面用プライマーの塗布
根巻きコンクリート及び中詰めコンクリートのシーリング箇所は、コンクリート打設後10日以上経た表面のレイタンス、汚れ、油脂分をサンダーやワイヤブラシ、シンナーを含ませた布等で除去し、コンクリート面の乾燥状態を確認した後、コンクリート面用プライマーを塗布するものとする。
25.鋼板両面用のプライマーの塗布
受注者は、鋼板面の汚れや油脂分を除去し、表面の乾燥状態を確認した後、鋼板両面用のプライマーを塗布しなければならない。
26.マスキングテープを貼って養生
受注者は、プライマー塗布に先立ち、シーリング部分の両脇にマスキングテープを貼って養生を行い、周囲を汚さないように注意して施工しなければならない。
27.騒音と粉じん
受注者は、施工中、特にコンクリートへのアンカー孔の穿孔と橋脚面の下地処理のために発生する騒音と粉じんについては、第1編1-1-1-35環境対策の規定によらなければならない。
なお、環境対策のために工法の変更等が必要な場合は、設計図書に関して監督職員と協議しなければならない。
28.現場溶接部の試験及び検査
受注者は、現場溶接部の試験及び検査を、表10-16-2により実施し、その結果を工事完成時に監督職員に提出しなければならない。
| 試験項目 | 試験方法 | 規格値(評価基準) | 検査基準 |
|---|---|---|---|
| 外観検査 | ビード部分に“われ”がないこと、およびその幅、高さに大きな変化がないこと | 検査は全溶接箇所を対象とする。 | |
| 超音波 探傷試験 |
JIS Z 3060 | JIS Z 3060に規定するM検出レベル3類以上 | 重要部位は当該溶接延長の10%以上、一般部位は同じく5%以上の抜取りによる検査を行う。 1箇所当たりの検査長は30㎝以上とする。 |
| 浸透探傷試験 | JIS Z 2343-1,2,3,4 | ビード部分に“われ”がないこと | 外観検査の結果、ビード部分に“われ”の疑いがある箇所を対象とする。 |
[注1]重要部位は、円形柱下端の鉛直継手部(フーチング上面から上に直径Dの範囲)および矩形柱下端の円形鋼板の継手部を指し、その他を一般部位とする。
[注2]超音波探傷試験の検査箇所は、監督職員の指示による。
29.超音波探傷試験の検査技術者
超音波探傷試験の検査技術者は、JIS Z 2305(非破壊試験技術者の資格及び認証)に基づく2種以上の有資格者とする。
30.不合格箇所が出た場合
表10-16-2の試験、検査で不合格箇所が出た場合は、同一施工条件で施工されたとみなされる溶接線全延長について検査を実施する。
なお、不合格箇所の処置については、設計図書に関して監督職員に承諾を得るものとする。
31.補修溶接した箇所
受注者は、補修溶接した箇所は、再度外観検査及び超音波探傷試験を実施しなければならない。
32.充填材
補強鋼板と橋脚コンクリートの隙間の充填材にエポキシ系樹脂を用いる場合には、事前に設計図書に関して監督職員と協議するものとする。
10-16-24-5 橋脚コンクリート巻立て工
1.適用規定
橋脚コンクリート巻立て工の施工については、第1編第3章の無筋・鉄筋コンクリートの規定による。
2.一般事項
受注者は、工事に先立ち、現地を詳細に把握するために現地調査を行い、補強を実施しようとする橋脚及び基礎について、形状や添架物、近接する地下構造物等の状況を把握するとともに、影響を与えないように施工しなければならない。
3.鉄筋定着の削孔位置
受注者は、鉄筋を既設橋脚に定着させるための削孔を行う場合には、鉄筋位置を確認し、損傷を与えないように施工しなければならない。
4.チッピング
受注者は、既設橋脚の巻立て部分を、入念にチッピングしなければならない。
5.不良部分が著しい場合の処置
受注者は、既設コンクリート表面の劣化等の不良部分が著しい場合は、事前に設計図書に関して監督職員と協議しなければならない。
6.騒音と粉じん対策
施工中、特にコンクリートへの削孔と橋脚面の下地処理のために発生する騒音と粉じんについては、第1編1-1-1-35環境対策の規定による。
なお、環境対策のために工法の変更等が必要な場合は、設計図書に関して監督職員と協議するものとする。