第2章 土工
第1節 適用
1.適用工種
本章は、河川土工、海岸土工、砂防土工、道路土工その他これらに類する工種について適用する。
2.適用規定
本章に特に定めのない事項については、第2編材料編の規定による。
第2節 適用すべき諸基準
受注者は、設計図書において特に定めのない事項については、以下の基準類による。これにより難い場合は、監督職員の承諾を得なければならない。
また、基準類と設計図書に相違がある場合は、原則として設計図書の規定に従うものとし、疑義がある場合は監督職員と協議しなければならない。
日本道路協会 道路土工要綱(平成21年6月)
日本道路協会 道路土工-軟弱地盤対策工指針(平成24年8月)
日本道路協会 道路土工-盛土工指針(平成22年4月)
日本道路協会 道路土工-切土工・斜面安定工指針(平成21年6月)
土木研究センター 建設発生土利用技術マニュアル(平成25年12月)
国土交通省 建設副産物適正処理推進要綱の改正について(平成14年5月)
建設省 堤防余盛基準について(昭和44年1月)
土木研究センター ジオテキスタイルを用いた補強土の設計・施工マニュアル(平成25年12月)
土木研究センター 多数アンカー式補強土壁工法設計・施工マニュアル(平成26年8月)
土木研究センター 補強土(テールアルメ)壁工法設計・施工マニュアル(平成26年8月)
国土技術研究センター 河川土工マニュアル(平成21年4月)
日本道路協会 道路土工構造物技術基準・同解説(令和7年11月)
国土交通省 建設汚泥処理土利用技術基準(平成18年6月)
国土交通省 発生土利用基準について(平成18年8月)
第3節 河川土工・海岸土工・砂防土工
1-2-3-1 一般事項
1.適用工種
本節は、河川土工・海岸土工・砂防土工として掘削工、盛土工、盛土補強工、法面整形工、堤防天端工、残土処理工その他これらに類する工種について定める。
2.地山の土及び岩の分類
地山の土及び岩の分類は、表1-2-1によるものとする。
受注者は、設計図書に示された現地の土及び岩の分類の境界を確められた時点で、監督職員の確認を受けなければならない。
また、受注者は、設計図書に示された土及び岩の分類の境界が現地の状況と一致しない場合は、契約書第18条第1項の規定により監督職員の指示を受けなければならない。
なお、確認のための資料を整備及び保管し、監督職員の請求があった場合は速やかに提示しなければならない。
表1-2-1 土及び岩の分類表
| 名 称 | 説 明 | 摘 要 | ||||
|---|---|---|---|---|---|---|
| A | B | C | ||||
| 土 | 礫質土 | 礫まじり土 | 礫の混入があって掘削時の能率が低下するもの。 | 礫の多い砂、 礫の多い砂質土、 礫の多い粘性土 |
礫(G) 礫質土(GF) |
|
| 砂質土 及び砂 | 砂 | バケット等に山盛り形状になりにくいもの。 | 海岸砂丘の砂 マサ土 | 砂(S) | ||
| 砂質土 (普通土) | 掘削が容易で、バケット等に山盛り形状にし易く空隙の少ないもの。 | 砂質土、マサ土 粒度分布の良い砂 条件の良いローム | 砂(S) 砂質土(SF) シルト(M) |
|||
| 粘性土 | 粘性土 | バケット等に付着し易く空隙の多い状態になり易いもの、トラフィカビリティが問題となり易いもの。 | ローム 粘性土 |
シルト(M) 粘性土(C) |
||
| 高含水比粘性土 | バケットなどに付着し易く特にトラフィカビリティが悪いもの | 条件の悪いローム 条件の悪い粘性土 火山灰質粘性土 |
シルト(M) 粘性土(C) 火山灰質粘性(V) 有機質土(O) |
|||
| 岩または石 | 岩塊 玉石 |
岩塊 玉石 |
岩塊、玉石が混入して掘削しにくく、バケット等に空隙のでき易いもの。 岩塊、玉石は粒径7.5㎝以上とし、まるみのあるのを玉石とする。 |
玉石まじり土 岩塊 破砕された岩 ごろごろした河床 |
||
| 軟 岩 | 軟 岩 | Ⅰ | 第三紀の岩石で固結の程度が弱いもの。 風化がはなはだしく、きわめてもろいもの。 指先で離しうる程度のもので、き裂の間隔は1~5㎝くらいのものおよび第三紀の岩石で固結の程度が良好なもの。 風化が相当進み多少変色を伴い軽い打撃で容易に割れるもの、離れ易いもので、き裂間隔は5~10㎝程度のもの。 |
地山弾性波速度 700~2,800m/sec | ||
| Ⅱ | 凝灰質で堅く固結しているもの。 風化が目にそって相当進んでいるもの。 き裂間隔が10~30㎝程度で軽い打撃により離しうる程度、異質の硬い互層をなすもので層面を楽に離しうるもの。 |
|||||
| 硬 岩 | 中硬岩 | 石灰岩、多孔質安山岩のように、特にち密でなくても相当の固さを有するもの。 風化の程度があまり進んでいないもの。 硬い岩石で間隔30~50㎝程度のき裂を有するもの。 |
地山弾性波速度 2,000~4,000m/sec |
|||
| 硬 岩 | Ⅰ | 花崗岩、結晶片岩等で全く変化していないもの。 き裂間隔が1m内外で相当密着しているもの。 硬い良好な石材を取り得るようなもの。 |
地山弾性波速度 3,000m/sec以上 | |||
| Ⅱ | けい岩、角岩などの石英質に富む岩質で最も硬いもの。風化していない新鮮な状態のもの。 き裂が少なく、よく密着しているもの。 |
|||||
3.排水処理
受注者は、工事施工中については、滞水を生じないような排水状態に維持しなければならない。
4.適用規定
受注者は、建設発生土については、第1編1-1-1-22建設副産物の規定により適切に処理しなければならない。
5.発生土受入れ地等
受注者は、建設発生土受入れ地及び建設廃棄物処理地の位置、及び建設発生土の内容等については、設計図書及び監督職員の指示に従わなければならない。
なお、受注者は、施工上やむを得ず指定された場所以外に建設発生土または、建設廃棄物を処分する場合には、事前に設計図書に関して監督職員と協議しなければならない。
6.施工計画書
受注者は、建設発生土処理にあたり第1編1-1-1-6施工計画書第1項の施工計画書の記載内容に加えて設計図書に基づき以下の事項を施工計画書に記載しなければならない。
(1) 処理方法(場所・形状等)
(2) 排水計画
(3) 場内維持等
7.建設発生土受入れ地の実測
受注者は、建設発生土の受入れ地への搬入に先立ち、指定された建設発生土の受入れ地について地形を実測し、資料を監督職員に提出しなければならない。ただし、受注者は、実測困難な場合等には、これに代わる資料により、監督職員の承諾を得なければならない。
8.建設発生土受入れ地の条件
建設発生土受入れ地については、受注者は、建設発生土受入れ地ごとの特定条件に応じて施工しなければならない。
9.伐開発生物の処理方法
受注者は、伐開除根作業における伐開発生物の処理方法については、設計図書によるものとするが、設計図書に示されていない場合には、設計図書に関して監督職員と協議しなければならない。
10.伐開除根作業範囲
受注者は、伐開除根作業範囲が設計図書に示されていない場合には、表1-2-2に従い施工しなければならない。
表1-2-2 伐開除根作業
| 区 分 | 種 別 | |||
|---|---|---|---|---|
| 雑草・ささ類 | 倒 木 | 古 根 株 | 立 木 | |
| 盛土箇所全部 | 根からすきとる | 除 去 | 抜根除去 | 同 左 |
1-2-3-2 掘削工
1.一般事項
受注者は、水門等の上流側での掘削工を行うにあたり、流下する土砂その他によって河川管理施設、許可工作物等、他の施設の機能に支障を与えてはならない。受注者は、特に指定されたものを除き水の流れに対して影響を与える場合には、掘削順序、方向または高さ等についてあらかじめ設計図書に関して監督職員の承諾を得なければならない。水中掘削を行う場合も同様とするものとする。
2.浮石等の処理
受注者は、軟岩掘削及び硬岩掘削において、規定断面に仕上げた後、浮石等が残らないようにしなければならない。
3.異常時の処置
受注者は、掘削工の施工中に、自然に崩壊、地すべり等が生じた場合、あるいはそれらを生ずるおそれがあるときは、工事を中止し、監督職員と協議しなければならない。ただし、緊急を要する場合には、応急措置をとった後、直ちににその措置内容を監督職員に通知しなければならない。
4.地山の挙動監視
受注者は、掘削工の施工中の地山の挙動を監視しなければならない。
5.掘削方向
受注者は、砂防土工における斜面対策としての掘削工(排土)を行うにあたり、設計図書で特に定めのある場合を除き、原則として掘削を斜面上部より下部に向かって行わなければならない。
6.残土運搬時の注意
受注者は、掘削工により発生する残土を受入れ地へ運搬する場合には、沿道住民及び道路利用者に迷惑がかからないように努めなければならない。
1-2-3-3 盛土工
1.一般事項
受注者は、盛土工の開始にあたって、地盤の表面を本条3項に示す盛土層厚の1/2の厚さまで掻き起こしてほぐし、盛土材料とともに締固め、地盤と盛土の一体性を確保しなければならない。
2.盛土の滑動防止
受注者は、1:4より急な勾配を有する地盤上に盛土を行う場合には、特に指示する場合を除き、段切を行い、盛土と現地盤の密着を図り、滑動を防止しなければならない。
図1-2-1 盛土基礎地盤の段切
【EMF変換必要: p8_1.emf】(LibreOfficeでPNG変換後、p8_1.pngとして配置)
3.一層の仕上り厚
受注者は、築堤の盛土工の施工において、一層の仕上り厚を30㎝以下とし、平坦に締固めなければならない。
4.狭隘箇所等の締固め
受注者は、構造物の隣接箇所や狭い箇所の盛土工について、タンパ・振動ローラ等の小型締固め機械により、仕上がり厚を20㎝以下で入念に締固めなければならない。
また、樋管等の構造物がある場合には、過重な偏土圧のかからないように盛土し、締固めなければならない。
5.石が混入する盛土材料の処置
受注者は、盛土材料に石が混入する場合には、その施工にあたって石が1ヶ所に集まらないようにしなければならない。
6.作業終了時等の排水処理
受注者は、盛土工の作業終了時または作業を中断する場合は、表面に4%程度の横断勾配を設けるとともに、平坦に締固め、排水が良好に行われるようにしなければならない。
7.適切な含水比の確保
受注者は、締固め作業の実施にあたり、適切な含水比の状態で施工しなければならない。
8.異常時の処置
受注者は、盛土工の施工中、予期できなかった沈下等の有害な現象があった場合には、工事を中止し、監督職員と協議しなければならない。ただし、緊急を要する場合には、応急処置をとった後、直ちに監督職員に通知しなければならない。
9.採取場の実測
受注者は、土の採取に先立ち、指定された採取場について地形を実測し、資料を監督職員に提出しなければならない。ただし、受注者は、実測困難な場合等には、これに代わる資料により、監督職員の承諾を得なければならない。
10.採取場の維持及び修復
受注者は、土の採取にあたり、採取場の維持及び修復について採取場ごとの条件に応じて施工するとともに、土の採取中、土質に著しい変化があった場合には、設計図書に関して監督職員と協議しなければならない。
11.採取土及び購入土運搬時の注意
受注者は、採取土盛土及び購入土盛土の施工にあたって、採取土及び購入土を運搬する場合には沿道住民及び道路利用者に迷惑がかからないように努めなければならない。流用土盛土及び発生土盛土の施工にあたっても、一般道路を運搬に利用する場合も同様とするものとする。
12.軟弱地盤上の盛土の施工
受注者は、軟弱地盤上の盛土の施工にあたり、沈下のおそれのある場所の盛土の丁張を、常時点検しなければならない。
13.沈下量確認方法
受注者は、軟弱地盤上の盛土工施工時の沈下量確認方法については、設計図書によらなければならない。
14.盛土敷の排水乾燥
受注者は、軟弱地盤及び地下水位の高い地盤上に盛土工を行う場合には、速やかに排水施設を設け、盛土敷の乾燥を図らなければならない。
15.一段階の盛土高さ
軟弱地盤上の盛土工の施工の一段階の盛土高さは設計図書によるものとし、受注者は、その沈下や周囲の地盤の水平変位等を監視しながら盛土を施工し、監督職員の承諾を得た後、次の盛土に着手しなければならない。
16.異常時の処置
受注者は、軟弱地盤上の盛土工の施工中、予期できなかった沈下または滑動等が生ずるおそれがあると予測された場合には、工事を中止し、監督職員と協議しなければならない。ただし、緊急を要する場合には、応急処置をとった後、直ちにその措置内容を監督職員に通知しなければならない。
17.押え盛土の施工計画
受注者は、砂防土工における斜面対策としての盛土工(押え盛土)を行うにあたり、盛土量、盛土の位置ならびに盛土基礎地盤の特性等について現状の状況等を照査した上で、それらを施工計画に反映しなければならない。
1-2-3-4 盛土補強工
1.一般事項
盛土補強工とは、面状あるいは帯状等の補強材を土中に敷設し、盛土体の安定を図ることをいうものとする。
2.盛土材の確認
盛土材については設計図書によるものとする。受注者は、盛土材の巻出しに先立ち、予定している盛土材料の確認を行い、設計図書に関して監督職員の承諾を得なければならない。
3.基盤面の排水処理
受注者は、第一層の補強材の敷設に先立ち、現地盤の伐開除根及び不陸の整地を行なうとともに、設計図書に関して監督職員と協議のうえ、基盤面に排水処理工を行わなければならない。
4.補強材の敷設
受注者は、設計図書に示された規格及び敷設長を有する補強材を、所定の位置に敷設しなければならない。補強材は水平に、かつたるみや極端な凹凸がないように敷設し、ピンや土盛りなどにより適宜固定するものとする。
5.盛土横断方向の面状補強材
受注者は、面状補強材の引張り強さを考慮する盛土横断方向については、設計図書で特に定めのある場合を除き、面状補強材に継ぎ目を設けてはならない。ただし、やむを得ない事情がある場合は設計図書に関して監督職員と協議しなければならない。
6.盛土縦断方向の面状補強材
受注者は、面状補強材の引張り強さを考慮しない盛土縦断方向については、面状補強材をすき間なく、ズレが生じないように施工しなければならない。
7.敷設困難な場合の処置
受注者は、現場の状況や曲線、隅角などの折れ部により設計図書に示された方法で補強材を敷設することが困難な場合は、設計図書に関して監督職員と協議しなければならない。
なお、やむを得ず隣り合う面状補強材との間に隙間が生じる場合においても、盛土の高さ方向に隙間が連続しないように敷設しなければならない。
8.盛土材の巻出し及び締固め
受注者は、盛土材の巻出し及び締固めについては、第1編1-2-3-3盛土工の規定により一層ごとに適切に施工しなければならない。巻出し及び締固めは、壁面工側から順次奥へ行なうとともに、重機械の急停止や急旋回等を避け、補強材にずれや損傷を与えないように注意しなければならない。
9.壁面工の段数
受注者は、盛土に先行して組立てられる壁面工の段数は、2段までとしなければならない。
なお、これにより難い場合は、設計図書に関して監督職員の承諾を得なければならない。
10.壁面工付近等の締固め
受注者は、設計図書に明示した場合を除き、壁面工付近や隅角部の締固めにおいては、各補強土工法のマニュアルに基づくとともに、壁面から1.0~1.5m程度の範囲では、振動コンパクタや小型振動ローラなどを用いて人力によって入念に行わなければならない。これにより難い場合は、設計図書に関して監督職員と協議しなければならない。
11.補強材取扱い上の注意
受注者は、補強材を壁面工と連結する場合や、面状補強材の盛土のり面や接合部での巻込みに際しては、局部的な折れ曲がりやゆるみを生じないようにしなければならない。
12.壁面変位の観測
受注者は、壁面工の設置に先立ち、壁面の直線性や変形について確認しながら施工しなければならない。許容値を超える壁面変位が観測された場合は、直ちに作業を中止し、設計図書に関して監督職員と協議しなければならない。
13.壁面材の損傷及び劣化の防止
受注者は、壁面材の搬入、仮置きや吊上げに際しては、損傷あるいは劣化をきたさないようにしなければならない。
14.補強材の管理
補強材は、搬入から敷設後の締固め完了までの施工期間中、劣化や破断によって強度が低下することがないように管理しなければならない。面状補強材の保管にあたっては直射日光を避け、紫外線による劣化を防がなければならない。
1-2-3-5 法面整形工
1.一般事項
受注者は、掘削(切土)部法面整形の施工にあたり、ゆるんだ転石、岩塊等は、整形法面の安定のために取り除かなければならない。
なお、浮石が大きく取り除くことが困難な場合には、設計図書に関して監督職員と協議しなければならない。
2.盛土の法面崩壊の防止
受注者は、盛土部法面整形の施工にあたり、法面の崩壊が起こらないように締固めを行わなければならない。
3.平場仕上げの排水処理
受注者は、平場仕上げの施工にあたり、平坦に締固め、排水が良好に行われるようにしなければならない。
4.表土の活用
受注者は、砂防土工における斜面の掘削部法面整形の施工にあたり、掘削法面は、肥沃な表土を残すようにしなければならない。
5.崩壊のおそれのある箇所等の処置
受注者は、砂防土工における斜面の掘削部法面整形の施工にあたり、崩壊のおそれのある箇所、あるいは湧水、軟弱地盤等の不良箇所の法面整形は、設計図書に関して監督職員と協議しなければならない。
1-2-3-6 堤防天端工
受注者は、堤防天端に砕石を敷設する場合は、平坦に敷き均さなければならない。
1-2-3-7 残土処理工
1.一般事項
残土処理工とは作業土工で生じた残土の工区外への運搬及び受入れ地の整形処理までの一連作業をいう。
2.残土運搬時の注意
残土を受入れ地へ運搬する場合には、沿道住民及び道路利用者に迷惑がかからないよう努めなければならない。
第4節 道路土工
1-2-4-1 一般事項
1.適用工種
本節は、道路土工として掘削工、路体盛土工、路床盛土工、法面整形工、残土処理工その他これらに類する工種について定める。
2.路床、路体
路床とは盛土部においては、盛土仕上り面下、掘削(切土)部においては掘削仕上り面下1m以内の部分をいう。
路体とは盛土における路床以外の部分をいう。
3.構造物取付け部
受注者は、盛土と橋台や横断構造物との取付け部である裏込めや埋戻し部分は、供用開始後に構造物との間の路面の連続性を損なわないように、適切な材料を用いて入念な締固めと排水工の施工を行わなければならない。
特に、橋台躯体背面部では、基礎地盤及び橋台躯体背面部の安定性、降雨等に対する排水性を確保できるように、使用する材料及び構造特性に応じて適切な施工の方法及び順序等に基づいて施工しなければならず、橋梁接続区間では、速やかな排水や構造物の状態に配慮しながら、必要な記録を残さなければならない。
なお、構造物取付け部の範囲は、「道路橋示方書・同解説(Ⅳ下部構造編)11章 橋台躯体背面部 12章 橋梁接続区間など」(日本道路協会、令和7年10月)及び**「道路土工-盛土工指針 4-10盛土と他の構造物との取付け部の構造」**(日本道路協会、平成22年4月)を参考とする。
4.地山の土及び岩の分類
地山の土及び岩の分類は、表1-2-1によるものとする。
受注者は、設計図書に示された現地の土及び岩の分類の境界を確かめられた時点で、監督職員の確認を受けなければならない。
なお、確認のための資料を整備及び保管し、監督職員または検査職員の請求があった場合は速やかに提示しなければならない。
5.雨水による侵食等の防止
受注者は、盛土及び地山法面の雨水による侵食や土砂崩れを発生させないよう施工しなければならない。
6.湧水処理
受注者は、工事箇所において工事目的物に影響をおよぼすおそれがあるような予期できなかった湧水が発生した場合には、工事を中止し、監督職員と協議しなければならない。ただし、緊急を要する場合には応急処置をとった後、直ちにその措置内容を監督職員に通知しなければならない。
7.排水処理
受注者は、工事施工中については、雨水等の滞水を生じないような排水状態を維持しなければならない。
8.適用規定
受注者は、建設発生土については、第1編1-1-1-22建設副産物の規定により、適切に処理しなければならない。
9.建設発生土受入れ地等
受注者は、建設発生土受入れ地及び建設廃棄物処分地の位置、建設発生土の内容等については、設計図書及び監督職員の指示に従わなければならない。
なお、受注者は、施工上やむを得ず指定された場所以外に建設発生土または、建設廃棄物を処分する場合には、事前に設計図書に関して監督職員と協議しなければならない。
10.施工計画書
受注者は、建設発生土処理にあたり第1編1-1-1-6施工計画書第1項の施工計画書の記載内容に加えて設計図書に基づき以下の事項を施工計画書に記載しなければならない。
(1) 処理方法(場所・形状等)
(2) 排水計画
(3) 場内維持等
11.建設発生土の受入れ地の実測
受注者は、建設発生土の受入れ地への搬入に先立ち、指定された建設発生土の受入れ地について地形を実測し、資料を監督職員に提出しなければならない。ただし、受注者は、実測困難な場合等には、これに代わる資料により、監督職員の承諾を得なければならない。
12.建設発生土の土質区分
建設発生土の土質区分については、「発生土利用基準について」(平成18年8月10日 国官技第112号、国官総第309号、国営計第59号)による。
13.建設発生土受入れ地
建設発生土受入れ地については、受注者は、建設発生土受入れ地ごとの特定条件に応じて施工しなければならない。
14.伐開発生物の処理方法
受注者は、伐開除根作業における伐開発生物の処理方法については、設計図書によるものとするが、処理方法が示されていない場合には、設計図書に関して監督職員と協議しなければならない。
15.伐開除根作業範囲
受注者は、伐開除根作業範囲が設計図書に示されない場合には、表1-2-3に従い施工しなければならない。
表1-2-3 伐開除根作業
| 区 分 | 種 別 | |||
|---|---|---|---|---|
| 雑草・ささ類 | 倒木 | 古 根 株 | 立木 | |
| 盛土高1mを 超える場合 |
地面で刈りとる | 除去 | 抜根除去 | 同左 |
| 盛土高1m以下 の場合 |
根からすきとる | |||
16.軟弱地盤上の盛土の施工
受注者は、軟弱地盤上の盛土の施工にあたり、沈下のおそれのある場所の盛土の丁張を、常時点検しなければならない。
17.沈下量確認方法
受注者は、軟弱地盤上の盛土工施工時の沈下量確認方法については、設計図書によらなければならない。
18.盛土敷の排水乾燥
受注者は、軟弱地盤及び地下水位の高い地盤上に盛土工を行う場合には、速やかに排水施設を設け、盛土敷の乾燥を図らなければならない。
19.一段階の盛土高さ
軟弱地盤上の盛土工の施工の一段階の高さは設計図書によるものとし、受注者は、その沈下や周囲の地盤の水平変化等を監視しながら盛土を施工し、監督職員の承諾を得た後、次の盛土に着手しなければならない。
20.異常時の処置
受注者は、軟弱地盤上の盛土の施工中、予期できなかった沈下または滑動等が生ずるおそれがあると予測された場合には、工事を中止し、監督職員と協議しなければならない。ただし、緊急を要する場合には応急処置をとった後、直ちにその措置内容を監督職員に通知しなければならない。
1-2-4-2 掘削工
1.一般事項
受注者は、掘削の施工にあたり、掘削中の土質に著しい変化が認められた場合、または埋設物を発見した場合は、工事を中止し、監督職員と協議しなければならない。ただし、緊急を要する場合には応急処置をとった後、直ちにその措置内容を監督職員に通知しなければならない。
2.掘削機械の選定
受注者は、掘削の施工にあたり、現場の地形、掘削高さ、掘削量、地層の状態(岩の有無)、掘削土の運搬方法などから、使用機械を設定しなければならない。
3.自然崩壊等異常時の処理
受注者は、掘削工の施工中に自然に崩壊、地すべり等が生じた場合、あるいはそれらを生ずるおそれがあるときは、工事を中止し、監督職員と協議しなければならない。ただし、緊急を要する場合には応急処置をとった後、直ちにその措置内容を監督職員に通知しなければならない。
4.路床面の支持力
受注者は、路床面において、設計図書に示す支持力が得られない場合、または均等性に疑義がある場合には、監督職員と協議しなければならない。
5.地山の監視
受注者は、掘削工の施工中の地山の挙動を監視しなければならない。
6.硬岩掘削時の注意
受注者は、硬岩掘削における法の仕上り面近くでは過度な発破を避けるものとし、浮石等が残らないようにしなければならない。
万一誤って仕上げ面を超えて発破を行った場合には、受注者は監督職員の承諾を得た工法で修復しなければならない。
7.残土運搬時の注意
受注者は、掘削工により発生する残土を受入れ地に運搬する場合には、沿道住民に迷惑をかけないようにしなければならない。
1-2-4-3 路体盛土工
1.一般事項
受注者は、路体盛土工を施工する地盤で盛土の締固め基準を確保できないような予測しない軟弱地盤・有機質土・ヘドロ等の不良地盤が現れた場合には、敷設材工法等の処置工法について、設計図書に関して監督職員と協議しなければならない。
2.水中路体盛土の材料
受注者は、水中で路体盛土工を行う場合の材料については、設計図書によらなければならない。
3.管渠等周辺の締固め
受注者は、路体盛土工箇所に管渠等がある場合には、盛土を両側から行ない偏圧のかからないよう締固めなければならない。
4.作業終了時等の排水処理
受注者は、路体盛土工の作業終了時または作業を中断する場合には、表面に4%程度の横断勾配を設けるとともに、平坦に締固め、排水が良好に行われるようにしなければならない。
5.運搬路使用時の注意
受注者は、路体盛土部分を運搬路に使用する場合、常に良好な状態に維持するものとし、路体盛土に悪影響を及ぼさないようにしなければならない。
6.一層の仕上り厚
受注者は、路体盛土工の施工においては、一層の仕上り厚を30㎝以下とし、各層ごとに締固めなければならない。
7.岩塊、玉石の路体盛土
受注者は、路体盛土工の主材料が岩塊、玉石である場合は、空隙を細かい材料で充填しなければならない。止むを得ず30㎝程度のものを使用する場合は、路体の最下層に使用しなければならない。
8.段切
受注者は、1:4より急な勾配を有する地盤上に路体盛土工を行う場合には、特に指示する場合を除き段切を行い、盛土と現地盤との密着を図り、滑動を防止しなければならない。
図1-2-2 盛土基礎地盤の段切
【EMF変換必要: p10_1.emf】(LibreOfficeでPNG変換後、p10_1.pngとして配置)
9.狭隘箇所等の締固め
受注者は、構造物の隣接箇所や狭い箇所の路体盛土工の施工については、タンパ、振動ローラ等の小型締固め機械により、仕上がり厚を20㎝以下で入念に締固めなければならない。
なお、現場発生土等を用いる場合は、その中で良質な材料を用いて施工しなければならない。
10.適切な含水比の確保
受注者は、路体盛土工の締固め作業の実施にあたり、適切な含水比の状態で施工しなければならない。
11.異常時の処置
受注者は、路体盛土工作業中、予期できなかった沈下等の有害な現象のあった場合に、工事を中止し、監督職員と協議しなければならない。ただし、緊急を要する場合には応急処置をとった後、直ちにその措置内容を監督職員に通知しなければならない。
12.採取場の実測
受注者は、土の採取に先立ち、指定された採取場について地形を実測し、資料を監督職員に提出しなければならない。ただし、受注者は、実測困難な場合等には、これに代わる資料により、監督職員の承諾を得なければならない。
13.採取場の維持及び修復
受注者は、土の採取にあたり、採取場の維持及び修復について採取場ごとの条件に応じて施工するとともに、土の採取中、土質に著しい変化があった場合には、設計図書に関して監督職員と協議しなければならない。
14.採取土及び購入土運搬時の注意
受注者は採取土盛土及び購入土盛土の施工にあたって、採取土及び購入土を運搬する場合には沿道住民及び道路利用者に迷惑がかからないように努めなければならない。流用土盛土及び発生土盛土の施工にあたっても、一般道路を運搬に利用する場合も同様とするものとする。
1-2-4-4 路床盛土工
1.一般事項
受注者は、路床盛土工を施工する地盤で盛土の締固め基準を確保できないような予測しない軟弱地盤・有機質土・ヘドロ等の不良地盤が現れた場合には、敷設材工法などの処理方法について監督職員と協議しなければならない。
2.管渠等周辺の締固め
受注者は、路床盛土工箇所に管渠等がある場合には、盛土を両側から行ない偏圧のかからないよう締固めなければならない。
3.作業終了時等の排水処理
受注者は、路床盛土工の作業終了時または作業を中断する場合には、表面に4%程度の横断勾配を設けるとともに、平坦に締固め、排水が良好に行われるようにしなければならない。
4.運搬路使用時の注意
受注者は、路床盛土部分を運搬路に使用する場合、常に良好な状態に維持するものとし、路床盛土に悪影響を及ぼさないようにしなければならない。
5.一層の仕上り厚
受注者は、路床盛土工の施工においては一層の仕上り厚を20㎝以下とし、各層ごとに締固めなければならない。
6.盛土材料の最大寸法
路床の盛土材料の最大寸法は10㎝程度とするものとする。
7.狭隘箇所等の締固め
受注者は、構造物の隣接箇所や狭い箇所の路床盛土の施工については、タンパ、振動ローラ等の小型締固め機械により、仕上がり厚を20㎝以下で入念に締固めなければならない。
8.適切な含水比の確保
受注者は、路床盛土工の締固め作業の実施にあたり、適切な含水比の状態で施工しなければならない。
9.異常時の処置
受注者は、路床盛土工の作業中、予期できなかった沈下等の有害な現象のあった場合に工事を中止し、監督職員と協議しなければならない。ただし、緊急を要する場合には応急処置をとった後、直ちにその措置内容を監督職員に通知しなければならない。
10.路床盛土の締固め度
路床盛土の締固め度については、第1編1-1-1-27施工管理第8項の規定による。
11.接続部の緩和区間
受注者は、特に指示する場合を除き、片切り、片盛りの接続部には1:4程度の勾配をもって緩和区間を設けなければならない。また、掘削(切土)部、盛土部の縦断方向の接続部にはすり付け区間を設けて路床支持力の不連続を避けなければならない。
図1-2-3 掘削(切土)部、盛土部接続部のすり付け
【EMF変換必要: p11_1.emf】(LibreOfficeでPNG変換後、p11_1.pngとして配置)
12.歩道・路肩部分等の締固め
受注者は、歩道・路肩部分等の大型機械での施工が困難な箇所の締固めについては、タンパ、振動ローラ等の小型締固め機械等を用いて、一層の仕上り厚を20㎝以内で行わなければならない。
13.滞水の処理
受注者は、路床盛土工の施工中に降雨や湧水によって路床面に水が滞水する場合は、路肩部分などに仮排水路を設け、道路外へ速やかに排水できるようにしておかなければならない。
14.土の採取
受注者は、土の採取の搬入に先立ち、指定された採取場、建設発生土の受入れ地について地形を実測し、資料を監督職員に提出しなければならない。ただし、受注者は、実測困難な場合等には、これに代わる資料により、監督職員の承諾を得なければならない。
15.採取場の維持及び修復
受注者は、土の採取にあたり、採取場の維持及び修復について採取場ごとの条件に応じて施工するとともに、土の採取中、土質に著しい変化があった場合には、設計図書に関して監督職員と協議しなければならない。
16.採取土及び購入土運搬時の注意
受注者は、採取土盛土及び購入土盛土の施工にあたって、採取土及び購入土を運搬する場合には沿道住民及び道路利用者に迷惑がかからないように努めなければならない。流用土盛土及び発生土盛土の施工にあたっても、一般道路を運搬に利用する場合も同様とするものとする。
1-2-4-5 法面整形工
1.一般事項
受注者は、掘削(切土)部法面整形の施工にあたり、ゆるんだ転石、岩塊等は、整形した法面の安定のために取り除かなければならない。
なお、浮石が大きく取り除くことが困難な場合には、設計図書に関して監督職員と協議しなければならない。
2.法面の崩壊防止
受注者は、盛土部法面整形の施工にあたり、法面の崩壊が起こらないように締固めを行わなければならない。
1-2-4-6 残土処理工
(参照:第1編 1-2-3-7 残土処理工)
残土処理工については、第1編1-2-3-7残土処理工の規定による。