第3章 基礎グラウチング
第1節 適用
1.適用工種
本章は、ダム工事におけるボーリング工、グラウチング工その他これらに類する工種に適用する。
2.適用規定
本章に特に定めのない事項については、第1編共通編、第2編材料編、第3編土木工事共通編の規定による。
3.施工順序
受注者は、以下の順序で基礎グラウチングの施工を行わなければならない。
(1) せん孔
(2) 水洗
(3) ルジオンテストまたは水押しテスト
(4) 注入
第2節 適用すべき諸基準
受注者は、設計図書において特に定めのない事項については、以下の基準類によるものとし、これにより難い場合は、監督職員の承諾を得なければならない。
なお、基準類と設計図書に相違がある場合は、原則として設計図書の規定に従うものとし、疑義がある場合は監督職員と協議しなければならない。
国土技術研究センター グラウチング技術指針・同解説(平成15年7月)
第3節 ボーリング工
9-3-3-1 一般事項
本節は、ボーリング工としてせん孔機械、せん孔、コア採取及び保管その他これらに類する工種について定める。
9-3-3-2 せん孔機械
受注者は、設計図書に示す仕様のせん孔機械を使用しなければならない。
9-3-3-3 せん孔
1.一般事項
受注者は、設計図書に示す順序、せん孔径でせん孔しなければならない。
2.せん孔機械の移動
受注者は、監督職員が行うせん孔長の確認後でなければ、せん孔機械を移動してはならない。
3.せん孔時の注意
受注者は、コンクリートを通してせん孔する場合には、堤体内に埋設されたクーリングパイプ、各種観測計器、リード線等の埋設物に損傷を与えないようにしなければならない。
4.地質変化への対応
受注者は、せん孔中は常にその岩質の変化、断層や破砕帯の状況、湧水、漏水の有無等に注意をはらい、これらに変化が認められた場合には、記録するとともに監督職員の指示を受けなければならない。
5.孔内洗浄
受注者は、設計図書に示す所定の深度までせん孔した後には、圧力水により孔内のスライムを除去し、洗浄しなければならない。
6.孔口の処置
受注者は、ボーリングの完了後には、孔口維持のために、孔番号を書いた木杭等で孔口をふさがなければならない。
9-3-3-4 コア採取及び保管
1.コア採取
受注者は、設計図書に示す孔について、コアを採取しなければならない。
2.採取コアの提出
受注者は、採取したコアを孔毎にコア箱に整理し、監督職員が連絡する場所に納品しなければならない。
9-3-3-5 水押しテスト
受注者は、注入に先立ち設計図書に基づきルジオンテスト、または水押しテストを行い、その結果を記録しなければならない。
第4節 グラウチング工
9-3-4-1 一般事項
本節は、グラウチング工として注入機械、グラウチング用配管、セメントミルクの製造及び輸送、注入管理、配合及びその切替え、水押しテスト、注入、注入効果の判定その他これらに類する工種について定める。
9-3-4-2 注入機械
受注者は、設計図書に示す仕様の注入機械を使用しなければならない。
9-3-4-3 グラウチング用配管
グラウチング用配管の配管方式は、設計図書によらなければならない。
9-3-4-4 セメントミルクの製造及び輸送
1.一般事項
受注者は、設計図書に示す方法により、セメントミルクを製造及び輸送しなければならない。
2.水及びセメントの計量
受注者は、水及びセメントの計量にあたっては、設計図書に示す方法によらなければならない。ただし、これ以外の場合は、設計図書に関して監督職員の承諾を得なければならない。
受注者は、計量装置を設計図書に従い定期的に検査し、検査結果を整理・保管し、監督職員または検査職員から請求があった場合は速やかに提示しなければならない。
3.セメントミルク比重の管理
受注者は、製造されたセメントミルクの比重を設計図書に従い管理しなければならない。
9-3-4-5 注入管理
受注者は、水及びセメントの計量にあたっては、設計図書に示す方法によらなければならない。ただし、これ以外の場合は、設計図書に関して監督職員の承諾を得なければならない。
また、グラウチング工の結果を整理して、速やかに監督職員へ提出しなければならない。
9-3-4-6 配合及びその切替え
受注者は、セメントミルクの配合及びその切替えについては、設計図書によらなければならない。
9-3-4-7 注入
1.一般事項
注入方法及びステージ長は設計図書による。
2.注入の開始及び完了
受注者は、注入の開始及び完了にあたっては、設計図書に関して監督職員の承諾を得なければならない。
3.施工
受注者は、注入圧力、注入速度、完了基準及び注入中断基準については設計図書によらなければならない。
4.変位観測
受注者は、注入中に設計図書に示す観測方法により堤体コンクリート及び基礎岩盤の変位を観測しなければならない。
5.連続注入
受注者は、注入中のステージが完了するまで、連続して注入しなければならない。
6.注入管理
受注者は、注入中に注入圧、注入量、注入速度について常に設計図書の規定に合致するよう管理しなければならない。
7.異常時の処置
受注者は、注入中に異常が認められ、やむを得ず注入を一時中断する場合には、設計図書に関して監督職員の承諾を得なければならない。
8.注入の中断
受注者は、注入中に設計図書に示す許容変位量を超える堤体コンクリート及び基礎岩磐の変位を認めた場合には、注入を中断し監督職員の指示を受けなければならない。
9.隣接孔の同時注入の禁止
受注者は、同一のステージ長の場合において、隣接する孔の同時注入を行ってはならない。
ただし、これ以外の場合は、監督職員の指示によらなければならない。
10.漏えい対策
受注者は、注入中、岩盤表面等へのミルクの漏えい等に注意をはらい、ミルクの漏えいを認めたときには、糸鉛、綿糸、モルタルによりコーキングを行わなければならない。
ただし、これ以外の材料による場合は、設計図書に関して監督職員の承諾を得なければならない。
9-3-4-8 注入効果の判定
1.チェック孔
受注者は、グラウチングにおいて、グラウチングの効果を確認するため設計図書に基づいてチェック孔をせん孔し、コア採取、透水試験を行わなければならない。
なお、チェック孔の位置、方向、深度及びそのチェック孔の処理方法等は、設計図書によらなければならない。
2.追加グラウチング
受注者は、グラウチングの施工によって所要の改良効果が得られない場合は設計図書に基づいて追加グラウチングを行わなければならない。
なお、追加孔の位置、方向、深度、注入仕様等については、事前に監督職員の承諾を得なければならない。