第7節 鉄筋工

第7節 鉄筋工

1-3-7-1 一般事項

1.適用事項

本節は、鉄筋の加工、鉄筋の組立て、鉄筋の継手、ガス圧接その他これらに類する事項について定める。

2.照査

受注者は、施工前に、設計図書に示された形状及び寸法で、鉄筋の組立が可能か、また打込み及び締固め作業を行うために必要な空間が確保出来ていることを確認しなければならない。不備を発見したときは監督職員に協議しなければならない。

3.亜鉛めっき鉄筋の加工

受注者は、亜鉛めっき鉄筋の加工を行う場合、その特性に応じた適切な方法でこれを行わなければならない。

4.エポキシ系樹脂塗装鉄筋の加工・組立

受注者は、エポキシ系樹脂塗装鉄筋の加工・組立を行う場合、塗装並びに鉄筋の材質を害さないよう、衝撃・こすれによる損傷のないことを作業完了時に確かめなければならない。

5.エポキシ系樹脂塗装鉄筋の切断・溶接

エポキシ系樹脂塗装鉄筋の切断・溶接による塗膜欠落や、加工・組立にともなう有害な損傷部を発見した場合、受注者は、十分清掃した上、コンクリートの打込み前に適切な方法で補修しなければならない。

1-3-7-2 貯蔵

受注者は、鉄筋を直接地表に置くことを避け、倉庫内に貯蔵しなければならない。また、屋外に貯蔵する場合は、雨水等の侵入を防ぐためシート等で適切な覆いをしなければならない。

1-3-7-3 加工

1.一般事項

受注者は、鉄筋の材質を害しない方法で加工しなければならない。

2.鉄筋加工時の温度

受注者は、鉄筋を常温で加工しなければならない。ただし、鉄筋をやむを得ず熱して加工する時には、既往の実績を調査し、現地において試験施工を行い、悪影響を及ぼさないことを確かめた上で施工方法を定め、施工しなければならない。

なお、調査・試験及び確認資料を整備及び保管し、監督職員または検査職員から請求があった場合は速やかに提示しなければならない。

3.鉄筋の曲げ半径

受注者は、鉄筋の曲げ形状の施工にあたり、設計図書に鉄筋の曲げ半径が示されていない場合は、「コンクリート標準示方書(設計編)[2023年制定]本編第13章鉄筋コンクリートの前提、標準7編第2章鉄筋コンクリートの前提」(土木学会、2023年3月)の規定による。これにより難い場合は、監督職員の承諾を得なければならない。

4.曲げ戻しの禁止

受注者は、曲げ加工した鉄筋を曲げ戻してはならない。

5.かぶり

受注者は、設計図書に示されていない鋼材等(組立用鉄筋や金網、配管など)を配置する場合は、その鋼材等についても所定のかぶりを確保し、かつその鋼材等と他の鉄筋とのあきを粗骨材の最大寸法の4/3以上としなければならない。

図1-3-1 鉄筋のかぶり
図1-3-1 鉄筋のかぶり

1-3-7-4 組立て

1.一般事項

受注者は、鉄筋を組立てる前にこれを清掃し浮きさびや鉄筋の表面についたどろ、油、ペンキ、その他鉄筋とコンクリートの付着を害するおそれのあるものは、これを除かなければならない。

2.配筋・組立て

受注者は、配筋・組立てにおいて以下によらなければならない。

(1) 受注者は、契約図面に定めた位置に、鉄筋を配置し、コンクリート打設中に動かないよう十分堅固に組み立てなければならない。

なお、必要に応じて契約図面に示されたもの以外の組立用鉄筋等を使用するものとする。

(2) 受注者は、鉄筋の交点の要所を、直径0.8㎜以上の焼なまし鉄線、またはクリップ等で鉄筋が移動しないように緊結し、使用した焼なまし鉄線、クリップ等はかぶり内に残してはならない。また、設計図書に特別な組立用架台等が指定されている場合は、それに従うものとする。

(3) 受注者は、鉄筋の配筋において、施工段階で必要となる形状保持や施工中の安全対策等を目的として、組立て鉄筋、段取り鉄筋等の鉄筋やアングル等の仮設物を配置するが、これらをやむを得ず構造物本体に存置する場合、これらの仮設物において、設計の前提が成立することを事前に確認しなければならない。

3.鉄筋かぶりの確保

受注者は、設計図書に特に定めのない限り、鉄筋のかぶりを保つよう、スペーサを設置するものとし、構造物の側面については1㎡あたり2個以上、構造物の底面については、1㎡あたり4個以上設置し、個数について、鉄筋組立て完了時の段階確認時に確認を受けなければならない。鉄筋のかぶりとはコンクリート表面から鉄筋までの最短距離をいい、設計上のコンクリート表面から主鉄筋の中心までの距離とは異なる。また、受注者は、型枠に接するスペーサについてはコンクリート製あるいはモルタル製で本体コンクリートと同等以上の品質を有するものを使用しなければならない。

なお、これ以外のスペーサを使用する場合は監督職員と協議しなければならない。

4.コンクリート打設前の点検、清掃

受注者は、鉄筋を組立ててからコンクリートを打ち込むまでに鉄筋の位置がずれたり、どろ、油等の付着がないかについて点検し、清掃してからコンクリートを打たなければならない。

5.上層部の鉄筋の組立て時の注意

受注者は、上層部の鉄筋の組立てを下層部のコンクリート打設後24時間以上経過した後に行わなければならない。

1-3-7-5 継手

1.一般事項

受注者は、設計図書に示されていない鉄筋の継手を設けるときには、継手の位置及び方法について、施工前に設計図書に関して監督職員の承諾を得なければならない。

2.重ね継手

受注者は、鉄筋の重ね継手を行う場合は、設計図書に示す長さを重ね合わせて、直径 0.8㎜以上の焼なまし鉄線で数ヶ所緊結しなければならない。

なお、エポキシ系樹脂塗装鉄筋の重ね継手長さは、「エポキシ樹脂塗装鉄筋を用いる鉄筋コンクリートの設計施工指針【改訂版】」(土木学会、平成15年11月)により、コンクリートの付着強度を無塗装鉄筋の85%として求めてよい。

3.継手位置

受注者は、原則、継手を同一断面に集めてはならない。また、受注者は、継手を同一断面に集めないため、継手位置を軸方向に互いにずらす距離は、継手の長さに鉄筋直径の25倍を加えた長さ以上としなければならない。継手が同一断面となる場合は、継手が確実に施工でき、継手付近のコンクリートが確実に充填され、継手としての性能が発揮されるとともに、構造物や部材に求められる性能を満たしていることを確認しなければならない。

4.継手構造の選定

受注者は、鉄筋の継手に圧接継手、溶接継手または機械式継手を用いる場合には、鉄筋の種類、直径及び施工箇所に応じた施工方法を選び、その品質を証明する資料を整備及び保管し、監督職員または検査職員から請求があった場合は速やかに提示しなければならない。

5.継足し鉄筋の保護

受注者は、将来の継足しのために構造物から鉄筋を露出しておく場合には、損傷、腐食等からこれを保護しなければならない。

6.引張断面での継手の禁止

受注者は、鉄筋の継手位置として、引張応力の大きい断面を避けなければならない。

7.鉄筋間の寸法

受注者は、継手部と隣接する鉄筋とのあき、または継手部相互のあきを粗骨材の最大寸法以上としなければならない。

8.機械式鉄筋継手

(1) 機械式鉄筋継手工法を採用する場合は、「現場打ちコンクリート構造物に適用する機械式鉄筋継手工法ガイドライン(平成29年3月)」に基づき実施するものとする。受注者は、施工する工法について必要な性能に関し、公的機関等(所定の試験、評価が可能な大学や自治体、民間の試験機関を含む)による技術的な確認を受け交付された証明書の写しを監督職員の承諾を得なければならない。また、機械式鉄筋継手の施工については、以下の各号の規定によるものとする。

① 使用する工法に応じた施工要領を施工計画書に記載し、施工を行わなければならない。

② 機械式鉄筋継手工法の品質管理は、使用する工法に応じた確認項目や頻度、方法、合否判定基準等を施工計画書に明示した上で、施工管理や検査時においては、これに従って確認を行わなければならない。また、機械式鉄筋継手工法の信頼度は、土木学会鉄筋定着・継手指針[2020年制定](令和2年3月土木学会)の信頼度Ⅱ種を基本とするが、設計時にⅠ種を適用している場合は、設計時の信頼度に従って施工管理を行わなければならない。

(2) 設計時に機械式鉄筋継手工法が適用されていない継手において、機械式鉄筋継手工法を適用する場合は、別途、監督職員と協議し、設計で要求した性能を満足していることや性能を確保するために必要な継手等級を三者会議等を利用し、設計者に確認した上で適用すること。

1-3-7-6 ガス圧接

1.圧接工の資格

圧接工は、JIS Z 3881(鉄筋のガス圧接技術検定における試験方法及び判定基準)に定められた試験の種類のうち、その作業に該当する試験の技量を有する技術者でなければならない。また、自動ガス圧接装置を取り扱う者は、JIS G 3112(鉄筋コンクリート用棒鋼)に規定する棒鋼を酸素・アセチレン炎により圧接する技量を有する技術者でなければならない。

なお、受注者は、ガス圧接の施工方法を熱間押し抜き法とする場合は、設計図書に関して監督職員の承諾を得なければならない。

また、圧接工の技量の確認に関して、監督職員または検査職員から請求があった場合は、資格証明書等を速やかに提示しなければならない。

2.施工できない場合の処置

受注者は、鉄筋のガス圧接箇所が設計図書どおりに施工できない場合は、その処置方法について施工前に監督職員と協議しなければならない。

3.圧接の禁止

受注者は、規格または形状の著しく異なる場合及び径の差が7㎜を超える場合は手動ガス圧接してはならない。ただし、D41とD51の場合はこの限りではない。

4.圧接面の清掃

受注者は、圧接しようとする鉄筋の両端部は、(公社)日本鉄筋継手協会によって認定された鉄筋冷間直角切断機を使用して切断しなければならない。自動ガス圧接の場合、チップソーをあわせて使用するものとする。ただし、すでに直角かつ平滑である場合や鉄筋冷間直角切断機により切断した端面の汚損等を取り除く場合は、ディスクグラインダで端面を研削するとともに、さび、油脂、塗料、セメントペースト、その他の有害な付着物を完全に除去しなければならない。

5.圧接面のすきま

突合わせた圧接面は、なるべく平面とし周辺のすきまは2㎜以下とする。

6.悪天候時の作業禁止

受注者は、降雪雨または、強風等の時は作業をしてはならない。ただし、作業が可能なように、防風対策を施して適切な作業ができることが確認された場合は作業を行うことができる。