第5節 樋門・樋管本体工
第5節 樋門・樋管本体工
6-3-5-1 一般事項
1.適用工種
本節は、樋門・樋管本体工として作業土工(床掘り、埋戻し)、既製杭工、場所打杭工、矢板工、函渠工、翼壁工、水叩工その他これらに類する工種について定める。
2.一般事項
受注者は、樋門及び樋管の施工において、既設堤防の開削、仮締切、仮水路等の施工時期、順序及び構造については、設計図書によらなければならない。
3.堤防に設ける仮締切
受注者は、堤防に設ける仮締切は、設計図書に基づき施工するが、現地状況によってこれにより難い仮締切を設置する場合は、設計図書に関して監督職員と協議しなければならない。
なお、その場合の仮締切は、堤防機能が保持できるものとしなければならない。
4.樋門・樋管の施工
受注者は、樋門・樋管の施工において、設計図書で定められていない仮水路を設ける場合には、内水排除のための河積確保とその流出に耐える構造としなければならない。
5.土砂の流出防止
受注者は、均しコンクリートの打設終了後、均しコンクリート下面の土砂の流出を防止しなければならない。
6.樋門・樋管の止水板
受注者は、樋門・樋管の止水板については、塩化ビニル製止水板を用いるが、変位の大きな場合にはゴム製止水板としなければならない。
なお、受注者は、樋管本体の継手に設ける止水板は、修復可能なものを使用しなければならない。
6-3-5-2 作業土工(床掘り・埋戻し)
1.適用規定
作業土工の施工については、第3編3-2-3-3作業土工(床掘り・埋戻し)の規定による。
2.基礎下面の土質等
受注者は、基礎下面の土質及び地盤改良工法等が設計図書と異なる場合は、設計図書に関して監督職員と協議しなければならない。
3.排水状態の維持
受注者は、仮締切を設置した後の工事箇所は良好な排水状態に維持しなければならない。
4.地盤改良の施工
地盤改良の施工については、第3編第2章第7節地盤改良工の規定による。
6-3-5-3 既製杭工
(参照:第3編 3-2-4-4 既製杭工)
既製杭工の施工については、第3編3-2-4-4既製杭工の規定による。
6-3-5-4 場所打杭工
(参照:第3編 3-2-4-5 場所打杭工)
場所打杭工の施工については、第3編3-2-4-5場所打杭工の規定による。
6-3-5-5 矢板工
1.適用規定
矢板工の施工については、第3編3-2-3-4矢板工の規定による。
2.矢板継手の損傷防止
受注者は、樋門及び樋管の施工において、矢板の継手を損傷しないよう施工しなければならない。
3.可撓矢板
可撓矢板とは、樋門及び樋管本体と矢板壁の接続部近辺の変位に追随する矢板をいう。
6-3-5-6 函渠工
1.一般事項
受注者は、函(管)渠工の施工にあたっては、基礎地盤の支持力が均等となるように、かつ不陸を生じないようにしなければならない。
2.基礎地盤支持力の確認
受注者は、基礎地盤支持力の確認を設計図書で定められている場合は、基礎地盤の支持力を確認し監督職員に報告しなければならない。
3.沈下観測
受注者は、函(管)渠工の施工にあたっては、施工中の躯体沈下を点検するため必要に応じて定期的に観測し、異常を発見した際は速やかに監督職員に連絡しなければならない。
4.ヒューム管の施工
受注者は、ヒューム管の施工にあたり以下の事項により施工しなければならない。
(1) 受注者は、管渠工の施工にあたっては、管渠の種類と埋設形式(突出型、溝型)の関係を損なうことのないように施工しなければならない。
(2) 受注者は、ソケット付の管を布設する時は、上流側または高い側にソケットを向けなければならない。
(3) 受注者は、基礎工の上に通りよく管を据付けるとともに、管の下面及びカラーの周囲にはコンクリートまたは固練りモルタルを充填し、空隙及び漏水が生じないように施工しなければならない。
(4) 受注者は、管の一部を切断する必要のある場合は、切断によって使用部分に損傷が生じないように施工しなければならない。損傷させた場合は、取換えなければならない。
5.コルゲートパイプの布設
受注者は、コルゲートパイプの布設にあたり以下の事項により施工しなければならない。
(1) 布設するコルゲートパイプの基床及び裏込め土は、砂質土または砂とし、受注者は、パイプが不均等な外圧等により変形しないよう、十分な締め固めを行わなければならない。
(2) コルゲートパイプの組立ては、上流側または高い側のセクションを下流側または低い側のセクションの内側に重ね合うようにし、重ね合わせ部分の接合はパイプ断面の両側で行うものとする。また重ね合わせは底部及び頂部で行ってはならない。
なお、埋戻し後も可能な限りボルトの緊結状態を点検し、ゆるんでいるものがあれば締直しを行わなければならない。
(3) 受注者は、コルゲートパイプの布設条件(地盤条件・出来形等)については設計図書によるものとし、予期しない沈下のおそれがあって、上げ越しが必要な場合には、設計図書に関して監督職員と協議しなければならない。
6.コンクリート構造の樋門及び樋管
受注者は、鉄筋コンクリート(RC)及びプレストレストコンクリート(PC)構造の樋門及び樋管について以下の事項によらなければならない。
(1) 受注者は、弾性継手材を緊張材により圧縮することによって、函軸弾性構造とする場合には、緊張時における函体の自重による摩擦を軽減する措置を実施しなければならない。
(2) 受注者は、継手材にプレストレスを与えて弾性継手とする場合には、耐久性があり、弾性に富むゴム等の材料を用いなければならない。
(3) 受注者は、プレキャストブロック工法における函体ブロックの接合部を、設計荷重作用時においてフルプレストレス状態に保持しなければならないものとし、端面をプレストレス力が良好に伝達できるように処理しなければならない。
(4) 受注者は、函軸緊張方式におけるアンボンド工法の緊張材が定着部の1.0m以上を付着により函体コンクリートと一体化するようにしなければならない。
(5) 受注者は、緊張材を1本ないし数本ずつ組にして順々に緊張する場合には各緊張段階において、コンクリート函体及びプレストレインドゴム継手等の弾性継手材に有害な応力、変位が生じないようにしなければならない。
(6) 受注者は、摩擦減少層がプレストレス導入時の施工に大きな影響をおよぼすことから、使用材料、均しコンクリートの仕上げ等に注意しなければならない。
(7) 受注者は、プレキャスト工法等で底版と均しコンクリートの間に空隙が残ることが避けられない場合には、セメントミルク等でグラウトしなければならない。
7.鋼管の布設
受注者は、鋼管の布設について以下の事項によらなければならない。
(1) 受注者は、設計図書に明示した場合を除き、円形の函体断面を有し、継手がベローズタイプの鋼管を用いるものとし、管体の接合は溶接によらなければならない。
(2) 受注者は、現場溶接を施工する前に、溶接に伴う収縮、変形、拘束等が全体や細部の構造に与える影響について検討しなければならない。
(3) 受注者は、溶接部や溶接材料の汚れや乾燥状態に注意し、それらを良好な状態に保つのに必要な諸設備を現場に備え付けなければならない。
(4) 受注者は、現場溶接に先立ち、開先の状態、材片の拘束状態について注意をはらわなければならない。
(5) 受注者は、溶接材料、溶接検査等に関する溶接施工上の注意点は、設計図書によらなければならない。
(6) 受注者は、以下の場合には、鋼製部材の現場塗装を行ってはならない。
① 気温が5℃以下のとき。
② 湿度が85%以上のとき。
③ 塗料の乾燥前に降雨、雪、霜のおそれがあるとき。
④ 炎天下で鋼材表面の温度が高く、塗膜に泡が生ずるおそれのあるとき。
⑤ 降雨等で表面が濡れているとき。
⑥ 風が強いとき及び塵埃が多いとき。
⑦ その他、監督職員が不適当と認めたとき。
(7) 受注者は、塗装作業に先立ち、鋼材表面のさびや黒皮、ごみ、油類その他の付着物を除去しなければならない。
(8) 受注者は、さび落としを完了した鋼材及び部材が塗装前にさびを生じるおそれのある場合には、プライマー等を塗布しておかなければならない。
(9) 受注者は、現場塗装に先立ち、塗装面を清掃しなければならない。
(10) 受注者は、部材の運搬及び組立て中に工場塗装がはがれた部分について、工場塗装と同じ塗装で補修しなければならない。
(11) 受注者は、下層の塗料が完全に乾いた後でなければ上層の塗装を行ってはならない。
8.ダクタイル鋳鉄管の布設
受注者は、ダクタイル鋳鉄管の布設について以下の事項によらなければならない。
(1) 受注者は、JIS G 5526(ダクタイル鋳鉄管)及びJIS G 5527(ダクタイル鋳鉄異形管)に適合したダクタイル鋳鉄管を用いなければならない。
(2) 受注者は、継手の構造については、設計図書に明示されたものを用いなければならない。
(3) 受注者は、継手接合前に受口表示マークの管種について確認しなければならない。
(4) 受注者は、管の据付け前に管の内外に異物等がないことを確認した上で、メーカーの表示マークの中心部分を管頂にして据付けなければならない。
(5) 受注者は、継手接合に従事する配管工にダクタイル鋳鉄管の配管経験が豊富で、使用する管の材質や継手の特性、構造等を熟知したものを配置しなければならない。
(6) 受注者は、接合の結果をチェックシートに記録しなければならない。
(7) 受注者は、塗装前に内外面のさび、その他の付着物を除去後、塗料に適合した方法で鋳鉄管を塗装しなければならない。
(8) 受注者は、現場で切断した管の端面や、管の外面の塗膜に傷が付いた箇所について、さびやごみ等を落として清掃し、水分を除去してから合成樹脂系塗料で塗装しなければならない。
(9) 受注者は、塗装箇所が乾燥するまで現場で塗装した管を移動してはならない。
6-3-5-7 翼壁工
1.一般事項
翼壁工は、樋門及び樋管本体と分離させた構造とする。
2.水密性の確保
受注者は、設計図書に示す止水板及び伸縮材で本体との継手を施工し、構造上変位が生じても水密性が確保できるよう施工しなければならない。
3.基礎
受注者は、基礎の支持力が均等となり、かつ不陸を生じないように施工しなければならない。
6-3-5-8 水叩工
受注者は、設計図書に示す止水板及び伸縮材で床版との継手を施工し、構造上変位が生じても水密性が確保できるように施工しなければならない。