第4節 ダムコンクリート工

第4節 ダムコンクリート工

9-1-4-1 一般事項

1.適用工種

本節は、ダムコンクリート工として原石骨材、天然骨材、配合、材料の計量、練混ぜ、コンクリートの運搬、打込み開始、コンクリートの打込み、締固め、継目、養生その他これらに類する工種について定める。

2.適用工法

本節は、有スランプコンクリートを用いて施工するブロック工法及びレヤー工法の場合に適用する。

3.骨材使用時の注意(1)

受注者は、設計図書に基づいて製造した骨材を使用しなければならない。

4.骨材使用時の注意(2)

受注者は、監督職員の指示または承諾なしに、骨材をダム本体コンクリート工事以外に使用してはならない。

9-1-4-2 原石骨材

1.表土処理

受注者は、表土の取り除きが完了したときには、原石としての適否について、監督職員の確認を受けなければならない。

2.原石採取

(1) 受注者は、原石の採取にあたっては、草木、泥土、その他有害物が混入しないようにしなければならない。

(2) 受注者は、原石採取中に破砕帯、風化層等に遭遇した場合には監督職員と協議しなければならない。監督職員が品質試験等の結果から骨材として不適当と認めた場合には、監督職員の指示に従わなければならない。

(3) 受注者は、原石の採取にあたっては、設計図書に定められた法面勾配等に基づき施工する。ただし、浮石等の存在によりこれにより難い場合には、設計図書に関して監督職員と協議しなければならない。

9-1-4-3 天然骨材

受注者は、骨材を採取する場合には、治水、利水及び河川工作物等に悪影響をおよぼさないように、設計図書に従い採取しなければならない。

9-1-4-4 配合

1.一般事項

受注者は、設計図書に示すコンクリートの示方配合を、現場試験の結果に基づいて現場配合に直し、設計図書に示す資料により監督職員の承諾を得なければならない。

2.配合の修正

受注者は、現場試験の結果、配合の修正が必要と認められる場合には、設計図書に示す資料により監督職員の承諾を得なければならない。

9-1-4-5 材料の計量

1.一般事項

受注者は、骨材の表面水量の試験及び骨材が乾燥している場合の有効吸水量の試験にあたっては、設計図書に示す方法によらなければならない。

2.各材料の計量

受注者は、各材料の計量にあたっては、1練り分ずつ質量で計量しなければならないただし、水及び混和剤溶液は第1編1-3-5-4材料の軽量及び練混ぜ、表1-3-2計量値の許容差に示した許容差内である場合には、体積で計量してもよいものとする。

3.用水

混和剤を溶かすのに用いた水または混和剤を薄めるのに用いた水は、単位水量の一部とするものとする。

4.計量装置の精度確保

受注者は、設計図書に従い計量装置を所定の精度を確保するため定期的に検査し、その結果を整理・保管するとともに、監督職員または検査職員から請求があった場合は速やかに提示しなければならない。また、検査の結果異常が発見された場合は速やかに監督職員へ報告する。

9-1-4-6 練混ぜ

1.一般事項

受注者は、水、セメント、骨材、混和材、混和剤が均一に練り混ぜられた状態になるまで、コンクリートを練り混ぜなければならない。

2.ミキサーの練混ぜ性能試験

受注者は、JIS A 8603-2(コンクリートミキサー第2部:練混ぜ性能試験方法)によりミキサーの練混ぜ性能試験を行い、十分な性能を有することを確かめてから使用するものとし、試験結果は整理・保管するとともに、監督職員または検査職員から請求があった場合は速やかに提示しなければならない。また、試験の結果、異常が発見された場合は速やかに監督職員へ報告しなければならない。

3.使用機器

受注者は、コンクリートの練混ぜにあたっては、バッチミキサーを用いなければならない。

4.材料分離

ミキサーは、練り上がりコンクリートを排出する時に、材料の分離を起こさないものとする。

5.1練りの量及び練混ぜ時間の決定

受注者は、1練りの量及び練混ぜ時間を、JIS A 8603-2(コンクリートミキサー第2部:練混ぜ性能試験方法)により試験を行ったうえで決定しなければならない。

(1) 可傾式ミキサの練混ぜ時間は、ミキサー内にセメント、混和材、混和剤及び骨材を全部投入したときからとし、その最小時間は表9-1-1を標準とする。

表10-14-1 一軸圧縮試験基準値(養生日数7日)
特性値 路上再生セメント
安定処理材料
路上セメント・アスファルト
乳剤安定処理材料
一軸圧縮強さ MPa 2.5 1.5-2.9
一次変位量 1/100㎝ 5-30
残留強度率  % 65以上

(2) 受注者は、強制練りミキサーを用いる場合は、JIS A 8603-2(コンクリートミキサー第2部:練混ぜ性能試験方法)により練混ぜ性能試験を行い、十分な性能を有することを確かめるものとし、試験結果は整理・保管するとともに、監督職員または検査職員から請求があった場合は速やかに提示しなければならない。また、試験の結果、異常が発見された場合は速やかに監督職員へ報告しなければばらない。

6.練混ぜ時間の範囲

練混ぜ時間は、本条5項で決定した時間の3倍以下とする。

7.排出

受注者は、ミキサー内のコンクリートを全部排出した後でなければ、新たに材料を投入してはならない。

8.付着物の除去

受注者は、コンクリートの打込み作業開始前及び打込み作業終了後にはミキサーを清掃し、ミキサー内に付着したコンクリート及び雑物を除去しなければならない。

9.不適合配合の処分

受注者は、コンクリート製造設備の故障や計量の誤りにより、以下に示す配合とならなかった場合、及び監督職員が廃棄を指示したコンクリートについては、適切に運搬し、処分しなければならない。

(1) 第9編9-1-4-4配合に示すコンクリートの配合

(2) 第9編9-1-4-8打込み開始の5項に示すモルタルの配合

9-1-4-7 コンクリートの運搬

1.一般事項

受注者は、練上りコンクリートを材料の分離が生じないよう、速やかに打込み場所に運搬しなければならない。

2.内部付着物の除去

受注者は、コンクリートの運搬を始める前に、運搬装置の内部に付着しているコンクリート及び雑物を取り除かなければならない。

3.バケット運搬

受注者は、コンクリートの運搬にあたっては、バケットによらなければならない。ただし、これ以外の場合は、設計図書に関して監督職員の承諾を得なければならない。

4.バケットの構造

バケットの構造は、コンクリートの投入及び排出の際に材料の分離を起こさないものであり、また、バケットからのコンクリートの排出が容易でかつ速やかなものとする。

9-1-4-8 打込み開始

1.施工計画書

受注者は、コンクリートの打込みにあたっては、事前に打込みブロックの工程計画を作成し、施工計画書へ記載する。

2.打継目

受注者は、コンクリートの打込みに先立ち、打継目の処理及び清掃、型枠、鉄筋、各種埋設物の設置について、監督職員の確認を受けなければならない。

3.技術者の常駐

受注者は、コンクリートの打込み時には、設計図書に示す資格と経験を有する技術者を現場に常駐させなければならない。

4.コンクリート面の処置

受注者は、コンクリートの打込み前に、コンクリートを打込む基礎岩盤面及び水平打継目のコンクリート面を、湿潤にして吸水させたうえで表面の水を除いた後、モルタルを塗込み、ただちにコンクリートの打込みを開始しなければならない。

5.モルタル塗り込み

受注者は、設計図書に示す配合のモルタルをコンクリート打込み面に均等に塗り込まなければならない。

6.セメントペースト塗り込み

受注者は、基礎岩盤面にコンクリートを打込む場合、モルタルのつきにくい部分には、セメントペーストを塗り込まなければならない。

7.モルタルの厚さ

モルタルの厚さは平均厚で、岩盤では2㎝程度、水平打継目では1.5㎝程度とする。

9-1-4-9 コンクリートの打込み

1.一般事項

受注者は、コンクリートを運搬後、ただちに打込むとともに、一区画内のコンクリートは、打込みが完了するまで連続して打込まなければならない。

2.適用規定

受注者は、第9編9-1-4-10締固め5項に示す状態が確保されないコンクリートを用いてはならない。

3.コンクリート落下高さ

受注者は、コンクリート打込み用バケットを、その下端が打込み面上1m程度に達するまでおろし、打込み場所にコンクリートを排出し、コンクリートを移動させる必要がないようにしなければならない。

4.1リフトの高さ

1リフトの高さは、設計図書による。

5.ハーフリフト高さ

受注者は、以下の場合には、ハーフリフト高さとしなければならない。

(1) 基礎岩盤面より打ち上がるとき

(2) 長期間打止めしたリフト面より打継ぐとき

(3) その他監督職員が指示する時

6.コンクリートの打ち上がり速度等

受注者は、コンクリートの打ち上がり速度等については、以下によらなければならない。

(1) 受注者は、打ち上がり速度を、各リフトのコンクリートの露出日数が少なくなるよう定め、打ち上がり速度について施工計画書へ記載する。

(2) 旧コンクリートが0.75m以上~1.0m未満のリフトの場合は材齢3日、1.0m以上~1.5m未満のリフトの場合は材齢4日、1.5m以上~2.0m以下のリフトの場合は材齢5日に達した後にコンクリートを打継ぐものとする。

(3) 隣接ブロックの高低差は、上下流方向で4リフト、ダム軸方向で8リフト以内とする。

7.打込み厚さ

受注者は、1リフトを数層に分けて打込むときには、締固めた後の一層の厚さが、40~50㎝になるように打込まなければならない。

8.異コンクリートの打継ぎ

受注者は、異なったコンクリートを打継ぐ場合には、その移り目で、配合の急変を避けるようコンクリートを打込まなければならない。

9.コールドジョイント

受注者は、機械の故障、天候の変化その他の理由でやむを得ず一区画内にコールドジョイントを設けなければならない場合には、設計図書に関して監督職員の承諾を得て施工面を仕上げ、打継目の完全な接合を図らなければならない。

10.水中コンクリート

受注者は、水中コンクリートを打ってはならない。

11.暑中のコンクリート打込み

受注者は、暑中のコンクリート打込みにあたっては、打継面が乾燥しないよう常に湿潤状態に保たなければならない。

12.監督職員の承諾

受注者は、以下の事項に該当する場合には、コンクリートの打込みについて、監督職員の承諾を得なければならない。

(1) コンクリート打設現場の平均日気温が4℃以下になるおそれのある場合

(2) コンクリートの打込み温度が25℃以上になるおそれのある場合

(3) 降雨、降雪の場合

(4) その他コンクリートの品質に悪影響を及ぼすおそれがある事象がある場合

13.各リフトの上面仕上げ

受注者は、各リフトの上面を平らに仕上げなければならない。ただし、排水のために勾配をつける場合には、設計図書に関して監督職員の承諾を得なければならない。

14.打込み順序

受注者は、内部コンクリートと外部コンクリートの接合、コールドジョイントの処理を考慮して打込み途中のコンクリートの露出面積が小さくなるようなコンクリートの打込み順序としなければならない。

9-1-4-10 締固め

1.一般事項

受注者は、バケットから排出後のコンクリートをただちに締固めなければならない。

2.コンクリートの締固め

受注者は、コンクリートの締固めにあたっては、棒状バイブレータを用いなければならない。ただし、棒状バイブレータの使用が困難で、かつ型枠に近い場所には型枠バイブレータを使用して確実に締め固めなければならない。

3.棒状バイブレータの性能

受注者は、設計図書に示す性能を有する棒状バイブレータを用いなければならない。

4.棒状バイブレータの操作

受注者は、棒状バイブレータを鉛直に差込み、コンクリート全体が一様に締固められるようにし、層打ちの場合には、棒状バイブレータが下層に入るようにしなければならない。

また、棒状バイブレータを用いてコンクリートを横移動させてはならない。

5.締固め時間

受注者は、粗骨材が表面に露出せず、上面にモルタルがあり、さらに人が上面に乗れるまで、締固めを行わなければならない。

また、棒状バイブレータは、コンクリートからゆっくり引抜き、穴が残らないようにしなければならない。

6.上昇水の除去

受注者は、各層の締固め面に上昇してくる水を取り除かなければならない。

9-1-4-11 継目

1.一般事項

受注者は、ダムの安定性、水密性等を害しないように継目を施工しなければならない。

2.打継目の承諾

受注者は、設計図書に定められていない打継目または施工上必要と認められていない打継目をやむを得ず設ける場合には、設計図書に関して監督職員の承諾を得なければならない。

3.水平打継目の処理

受注者は、各リフトの上層に上昇してくる水によって品質の悪いコンクリートにならないようにしなければならない。水平打継目に品質の悪いコンクリートができた場合には、この部分のコンクリートを取り除かなければならない。

4.レイタンス、浮き石の除去

受注者は、設計図書に示す水平打継目の処理にあたっては、既に打ち込まれたコンクリートの表面のレイタンス、品質の悪いコンクリート、緩んだ骨材粒等を完全に取り除き、コンクリート表面を粗にした後、十分に吸水させなければならない。また、その時期については、監督職員と協議しなければならない。

やむを得ずチッピングを行わなければならない場合には、設計図書に関して監督職員の承諾を得なければならない。

5.収縮継目の処理

受注者は、横継目及び縦継目等の収縮継目の処理にあたっては、突起、モルタル等の付着物、その他の汚れ、雑物を取除き、圧力水等により清掃しなければならない。

6.水平打継目の処理

受注者は、長期間打止めした水平打継目の処理にあたっては、設計図書に関して監督職員の承諾を得なければならない。

9-1-4-12 養生

1.一般事項

受注者は、コンクリートの打込み後、凍害や乾燥等の有害な作用の影響を受けないように、連続して養生しなければならない。

2.打込み直後の養生

受注者は、コンクリートの表面を荒らさないで作業できる程度に硬化した後に、露出面を一定期間、十分な湿潤状態に保たなければならない。養生方法の選定、期間については設計図書によらなければならない。

3.開口部の養生

受注者は、通廊、堤内仮排水路等の開口部において、その両端部をシート等で完全に覆い、開口部周囲のコンクリートの温度が急変しないようにしなければならない。

4.打継面の保護

受注者は、打継面を長期間放置する場合には、油脂類の付着防止や表面の保護等について、監督職員の承諾を得なければならない。